西条市民ミュージカルの照明プランを終えて

先日、西条市民ミュージカルの照明プランをさせていただきました。

1000人規模のホールの照明を1から作るのは初めてだったので、プラン〜仕込み〜明かり作りまで、気の抜けない仕事でした。

明かりが、人を照らすのに足りているかどうか?場面変化は十分に伝わるか?芝居の空気をより良くお客さんに伝えられるか?かなり怖かったです。

 

劇場に吊り込む機材の図面のことを仕込み図といいますが、仕込み図を書く上で、とにかく気をつけたのは、「基本に忠実に」と言う事と、「優しさと愛」です。

「基本に忠実に」のほうは、とにかく自分は照明の経験が少ないので、基本と言っても自分の知る限りの基本ですが、それでもそういった基本的な所を、一番に重視しました。

「優しさと愛」のほうは、基本に忠実な仕込みをした上で、それでもなにか特徴を出すとしたら、テーマは優しさと愛かな、と思いました。

西条市民のみなさんが参加し、昔の偉人の人生を、夢と愛にあふれる物語で表現する舞台です。

照明プランとしては、変にカッコつけたり、シュールな明かりにするのではなく、全体を暖かく包み込むような明かりにしたいと思いました。

 

そうして挑んだ六日間。

結果として、自分としては、ものすごい惨敗感が残りました!

おそらく、舞台全体としては、まぁちゃんと及第点な照明を出せたと思います。

そして、テーマの「基本に忠実に」と「優しさと愛」も、間違っていませんでした。

しかし、照明を作り上げたあと、通し稽古などとは別に、「照明のランスルー」といって、照明のチェンジだけを頭から最後まで見るというのをした時に、ものすごい敗北感がありました。

なんて稚拙で、ガチャガチャした明かりなんだ!と。

普段、坊っちゃん劇場で毎日、第一線で活躍しているプランナーの明かりを見ているし、実力的にそんな明かりの足下にもおよばない結果になる事は百も承知でしたが、それでも自分なりに一生懸命やったつもりだったので、かなりの落胆がありました。

 

何が原因だったか、反省してみると、やはり、テーマの「基本に忠実」と「優しさと愛」を追求しきれていなかった所に敗因があるように思います。

 

照明プランの基本は、仕込み方のセオリーと言うか、”ナナメの明かり、奥から、前から”みたいな事とは別に、台本をよく読み込む事や、稽古場で稽古をよく見る事が基本です。

それが足りなくて、演出家の方針との食い違いが何個かありました。

大部分はその場で直しましたが、そもそもの理解度が高ければ、そもそももっと良い明かりになっていたと思います。

 

「優しさと愛」のほうは、フィルターの色や機材の仕込み方はそんな風にして正解でした。

しかし、シーンの明かりを作る時に、エリアを限定した芝居や、悲しい辛い出来事を語っているシーンを、雰囲気をだすために暗めに作ったり、他の明るいシーンとの差をつけたりしたくなります。

でも、そんなシーンも、今思えば、「優しさと愛」でいくべきだったんです。

これももちろん直せる範囲は直しましたが、これも、そもそもの理解度が高ければ、そもそももっと良い明かりになっていたと思います。

 

反省点はたくさんありますが、そうとう勉強になりました。

次の機会があったら、ムチャムチャ素晴らしい明かりを目指しますが、それでもいきなり良くはならないと思います。

 

ただ、本気でやった分だけ、きちんと成功と失敗が見えたのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

愛のムチ

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